SUPER BOWL XLVIIIを外野から振り返るなぐり書き

シアトル・シーホークスファンのみなさんおめでとうございます!(あいさつ)

第48回のスーパーボウルが終わった。おう。今さら。なので詳しい試合内容やらはよそさんにまかせて、外野からの感想を書いておく。

SEA.png 43 - 8 DEN.png


まさかの一方的な展開。twitterで「SEAが最強の盾でボコボコにぶん殴ってる」とか評している人がいて吹き出した。いや言い得て妙だなーと。そんな盾で殴られたらそりゃ痛い。

とにかく強烈なインパクトを与えたシーホークスのディフェンス。あの迷いの無さはなんなんだろう。選手一人ひとりに「お前はあれとこれをやれ。他はいい」とすごく明確なタスクを与えられているような印象を受けた。迷わないから早いというか。シンプルだから強いというか。

否定的な含みは一切ない。むしろその逆。「あれこれ考えない。与えられた目の前の仕事に集中する」っていうのは深い信頼関係があってこそだ。コーチ陣の正確な読みとタスク配分、選手個々の遂行能力の高さ。その両方が組み合わさっての鉄壁だった。試合中にブロンコスのプレイコールをいくつか見抜いていたそうだけど、それも含めてチームの実力。

単純にこの1試合だけを見たのだとしたら、「SEAのディフェンス陣は全員プロボウラー」って言われても僕は信じたと思う。それくらいに全員がフィールドで躍動してた。恐るべきかなDCダン・クイン。この名前ははっきり覚えておこう。

とりわけディフェンスラインのパフォーマンスには驚いた。リーグ屈指のオフェンスラインを相手に、ブリッツもほとんど使わず4人だけでポケットをつぶし続けた。いやあれは本当に意外だった。パッツの面々がどれだけぶつかってもびくとも動かせなかったのに(えー)

で。それはマニングも予想していない事態だった気がする。左右からのラッシュだけでなく正面からも押し込まれるもんだから逃げ場がない。巨大な手でぎゅうっと握りつぶされるようなプレッシャー。マニングは試合中ずっと窮屈な振る舞いを強いられることになった。

みるみるポケットがつぶされる → 逃げ場もない → レシーバーがオープンになる時間を稼げない → 当然ロングパスは投げられない → 短めのパスを投げるしかない……という流れ。そこをSEAの後ろの面々が狙い撃つ。パスを取られても直後のハードヒットで止めまくる。パスの成功数は増えてもDENのリズムは生まれないままだった。

SEAのディフェンスといえば何かとセカンダリーが取り上げられるけど、個人的にはDLのほうに感心したなあ。試合の首根っこを力づくで押さえつけて離さなかったという感じ。DEのマイケル・ベネットを内側に構えさせることが多かったみたいだけど、それもポイントの一つだったのかな?詳しい方がいたらご教授いただきたい。

何にせよ、SEAがやってみせたのはポケットパッサー殺しの一つの理想形だろう。強力なDLに物を言わせて最小限の人数でプレッシャーをかけつつ後ろを厚く堅く守る。3年前のスーパーボウルでジャイアンツにやられたようにペイトリオッツが苦手とする形でもある。重要なのが両サイドからのラッシュだけでなくインサイドからも押し込むこと。一流のQBはエッジラッシュだけなら上手くかわすからね。

このSEAのディフェンスをポケットパッサー型のチームで攻略するとすればどんな方法があるのかなあ。たとえばパッカーズならどんな手でくるんだろうか。つかコルツはどうやって34点も取ったんだ。

ただこの試合を見て改めて思った。やっぱりDLのインサイドにはプロボウル級が一人は必要だ。来シーズンに向けたパッツの大きな課題の一つ。ウィルフォークの復活を期待して待つのでは危険すぎる。たとえ大枚をはたいてでも不動の軸を決めておきたい。

ついでに書けば、このSEAの勝利でアキーブ・タリブの市場価値も相対的に上がってしまったんじゃないだろうか。これからは長身CBの時代だなと。そう考えるチームが増えてもおかしくない。

それにしてもシーホークスは恐ろしく強かった。パッツが出場していたらどんな試合になっただろう。昨シーズンはまだいい勝負ができたんだけど、あの時と比べてどれくらい違ったんだろうか。

あれだけ強いDENの上に、さらにとんでもなく強いチームがいた。あーあ。すげー。やっぱNFLってすげー。だけどパッツファンとしてはその強い2チームに勝ったらめちゃくちゃ気持ちいいだろうなと思う。来シーズンにSEAとぶつかるとしたらアリゾナでのみ。うん。挑もうぜ。

さ。2013-14シーズンのNFLもこれにて幕引き。長くてちょっと退屈なシーズンオフがはじまる。
 
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コメント

初めまして。シャムです

シャム
INDに負けたのは試合終盤の意味わからんDPIの誤審で負けたようなものですw
DCクインは今シーズンから就任しましたが、D#の基礎はキャロルHCが築いたからこそ1年目のD DCで優勝出来たんでしょうね。
DEベネットはDTにも入るマルチな選手ですが、DLを常にローテーションさせられるデプスを揃えているのがすごいですね。そしてベネットのようなパスラッシャーを真ん中からラッシュさせることで中と外からプレッシャーをかけられるD#に出来たのが去年までと違う点でしょう。
あとはやっぱりラッセル・ウィルソンの実行力の高さは流石ですね。彼のパスを最後まで防げなかったのも大きかった試合でしたね。

> シャムさん

なるは@takurrows
コメントありがとうございます。
はじめまして!というかtwitterではいつもどうもですー。

どうやらピート・キャロルのチームづくりはかなり緻密なようですね。パッツファンながら彼がHCをやってた時代は見てなかったので面白いです。

常にローテーションができるくらいのDLのデプス……うらやましすぎるっ。

ラッセル・ウィルソンはブレイディと同じく2年目でのスーパー制覇。彼がどこまでのQBになっていくのか興味深いです。でもSEA王朝は簡単には築かせませんよ!
 
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